訪問看護師 コミュニケーション力の重要性【在宅で暮らす人を支える】

超高齢化社会における日本で、今後も病気を抱えながら生活する人が増えると予想されています。病気や怪我で入院しても、治療が終了すると施設入所などではなく、病気と共に自宅に戻るというのが当たり前となっています。
住み慣れた自宅で暮らしたいと望む一方、介護を担う家族がいないというケースも多く、核家族化の進行もあり、高齢者世帯または高齢者独居世帯も増えている現状にあります。
遠く離れた町で暮らす家族としては、年老いた親がたくさんの薬の管理、体調不良時の対処法、次の受診は自分で行けるか・・・など不安がつきまとってしまうものなのです。

そこで今も昔も地域を回る、スーパースターのような存在「訪問看護師の役割」について考えてみましょう。

結論から言うと
訪問看護師は、コミュニケーション力と支持的支援が何よりも大切です!!

目次
1.訪問看護とは
2.訪問看護師として働くメリットデメリット
3.訪問看護師になるためには

1.訪問看護とは
まず訪問看護とは・・・訪問看護師が自宅に伺い、療養を送っている人の看護を行うサービスのことをいいます。その人のライフスタイルを尊重し、他職種との連携を図り予防的支援〜看取りまでを支えていきます。その際、主治医による訪問看護指示書が必要です。介護保険、医療保険のどちらかでサービスを受けることになります。

2.訪問看護師として働くメリットデメリット
メリット
・基本的に平日勤務で夜勤はないので生活リズムが整いやすい
・身体的に楽(待機があるステーションもある)
・しっかり利用者(患者)さんの話を聞き、個別的な看護を行いやすい
・乳幼児〜高齢者と年齢は幅広く、コミュニケーションの勉強になる

デメリット 
・現場で1人でアセスメント、判断しなければならない場面が多い
・基本的に受け持ち制のことが多く、関係性が悪くなった場合は居心地が悪い
・訪問宅が綺麗だとは限らない
・死と向き合う利用者(患者)と関わる際の精神的な負担が大きい

病棟でのチームナーシングと違い、訪問看護師は利用者(患者)・家族と看護師が向き合い、今後どのような生活を送りたいかと話し合える時間が多いのが看護の魅力と言えます。相性もありますが、あくまでも利用者主体と割り切り、安心安全に生活できるよう支援していきます。
大体は、1週間に1、2度(滞在時間は30分〜1時間程)の訪問です。その短い関わりの中で、長年の生活自体を変えていくのは難しいことですので、事故なく安全に過ごせていること、例え数回の薬の飲み忘れがあっても大きな体調変化がなければ、厳しい指導を行う必要もありません。
それよりも、訪問看護師という人間を拒否されてしまっては元も子もないないので・・・信頼関係を築き、構築したところでより良く生活できるアドバイスをするのがベストです。
癌の終末期の方との関わりにおいては、看護師自身が感情コントロールをできなくなり、落ち込むようになるケースがあります。利用者の発言には必ず意味があります(死の受容プロセスのどの段階に当てはまるか考える)。巻き込まれないよう自分のメンタルにも配慮してください。身体面では、夜勤がない分リズムが整い、肌の調子も良くなります。

3.訪問看護師になるためには
新卒から訪問看護師として働けるステーションもありますが、大体は5年から10年の病棟での臨床経験後に訪問看護の現場に出ることが多いです。定期訪問以外は、電話で体調に関する相談をしてくる人が多く、その時に、電話の先で不調を訴える人のアセスメントなど行い対応する必要があります。
急変時の対応(本人・家族含め)や今後、起こり得ることについての説明など、知識や判断が必要になる場面が多いので、数年だけでも病棟経験をすることがオススメです。
とは言っても、退院できるほどにまで体調は落ち着いている人が多いので、今まで経験したことのない疾患などはゆっくり勉強していけば、さほど困ることはありません。
それよりも、自宅にいることの不安を感じる人の方が多いですので、寄り添い、安心感を与えてあげる看護が1番大切と言えます。

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